medication for a lost generation / The Wilson Hospital (2003) Philter [CD]

medication for a lost generation  / the wilson hospitalもしかすると北欧の人達って、僕達日本人よりも夏という季節への憧れが強いのかな?
「夏の期間が短いから、その分精一杯謳歌しよう!」みたいな気持ちがあるように感じられません?
このThe Wilson Hospital(fromスウェーデン)の1stアルバムを聴いていて、そんな事をふと思ったりしました.

なぜそんなことを思ったのかと言えば、今アルバム収録曲t-3″summer holiday”が底抜けに突き抜けているから.
サーフロックの要素を北欧特有の透明感&爽やかさと掛け合わせた夏がよく似合う疾走名曲. 個人的には「2003年のギターポップ・ベストトラック」だと考えています.
その他、ピアノの音も楽しげでハッピーな気分にさせられるt-1″a good day”、The Cardigansを彷彿とさせるメロウでステキなt-9″i’ll be around”…etc.

スウェディッシュポップ好きはもちろん、ギターポップファン必聴の内容です.
Acid House Kings、The Starlet、The Cardigans好きに…

※1. もし買うのなら原盤のMorphine Laneリリースよりも、日本盤のPhilter Records盤の方が、ボーナストラック入りでお得です.
※2. 女Vo.のKathrine Bergstromは、後にKatie Goes To Tokyo名義でも作品をリリースしていて、そちらもお薦め.

wake me up! / Embellish (2000) march [CD]

wake me up! / embellishもしあなたがギターポップに「清涼感」を求めるのなら、ぜひこのアルバムをお薦めしたい.
デンマーク出身のギターポップバンドEmbellishの1stアルバムです.

彼らの魅力は何といっても清涼感にあふれるメロディと伸びのある高音男Vo.でしょう.
どの曲も北欧バンド特有の爽やかさがあってステキ!
なかでも飛びぬけてお薦めなのが、t-3″you”とt-7″i don’t know”の2曲.

t-3″you”は2000年初頭のギターポップの中では、arvidsonの”wake up”と双璧の素晴らしさ. 高音男Vo.に甘いギターの組み合わせが究極の高揚感を与えてくれる奇跡的名曲! t-7″i don’t know”はキュートな女コーラスが個人的にツボすぎてヤバい.
未聴の人は、まずはこの2曲から聴いてみて欲しいです.(きっとハマるはず)

18 wheeler(“suncrush”)やarvidsonのファンはとにかく必聴.
改めて北欧バンドの底力を思い知らされる1枚だと思います.

short-term memories / The Salteens (2000) Drive-In [CD]

short-term memories / the salteens夏に聴きたいレコードに「爽やかさ」や「疾走感」を求めるのなら、このアルバムがお薦め!
カナダ出身のギターポップバンドThe Salteensの1stアルバムです.

もう聴いていて飛び跳ねたくなるって言うか、ギターポップの「躁」の部分をギュッと集めたかのような楽しい内容.
ホーン&ハンドクラッピングが効果的なt-1″kelly nicoll”、にぎやかでドタバタした感じがドイツの大人気バンドThrow That Beat!を彷彿とさせるt-2″bubba da”、疾走オルガン&ひっそりと入っている女コーラスが滅茶苦茶ツボなt-4″crash the market”…
そしてアルバムのハイライトはt-10″nice day”! 男女の掛け合いVo.&ハンドクラッピング、ホーン、オルガン…と、彼らの魅力はこの1曲に全て集約されている、と言っても過言ではないほどの名曲!

2001年の来日ライブ(@新宿acid)も見たのですが、CDの500倍はカッコ良い、パワーのあるバンドだったのも好印象. The Wannadies、Throw That Beat!、BIKERIDE好きに聴いてみて欲しい直球のギターポップです.

s/t / yachines (1998) quince [CD]

s/t / yachines「夏が似合うレコード」と一口に言っても、色々とあると思います.

このフランスのバンド yachines(ex. Dorian Gray)のアルバムは例えるのなら「夏の終わり」. 楽しかった夏も終わりに近づいて、秋風を感じ始めるような寂しさや、胸を締め付けるような切なさが詰まった、素晴らしい1枚.

内容は、ネオアコにピッタリな弱めの男Vo.に美しい女コーラスが織り成す、繊細なアコースティックソング集(国内編集版・全20曲).

lunchboxにも通じる捻れた疾走ポップスt-1.”smashing days”、繊細な楽曲にストリングスアレンジで深みを持たせたt-2.”yachines town”、”i believe in love…”とひたすらに、心を掻き毟るように歌い続ける切ない疾走名曲t-3″i believe”、blueboy(sarah)ファン必聴のピュア・アコースティックポップt-5″josephine”、軽快なピアノのイントロから一転して後半で一気に疾走する激ヤバ曲t-7″superstar”、ライトソウル感漂うt-8″les promesses”、ホーン使いが最高にお洒落でステキな1曲t-13″here today”、イントロのキラメキギターで即死するロマンティック名曲t-15″my love is a star”、bluetrain好きもビックリなお洒落曲t-19″all around the world”…

え、曲紹介し過ぎ? いえ、むしろ足りないくらいです.

このCDは国内盤なので、現在でも(中古でなら)入手は難しくないはず.
ネオアコ・ギターポップ好きなら必聴だと思いますので、未聴の人はぜひ探してみてください.
(Amazonとかでも売っていますので.)

※1. 因みに荒木陽路美さんのライナーによると、バンド名はサッカー・ロシア代表の伝説のGK”黒蜘蛛”レフ・ヤシンから取ったそう.(オリビエ本人はパリっ子なので、パリ・サンジェルマンFCのファン.)
※2. Vo.のオリビエは、その後「discover」や「Olivier Brion」名義でも活動中. 相変わらずのステキさなので、そちらも要チェックですよ.

s/t / arvidson (2001) firestation tower [CD]

’01年末にリリースされた際、全国のindie系レコード店で爆発的に売れたのも記憶に新しいスウェーデンのバンド、arvidsonの1stアルバム.

パワーポップとギターポップの良いトコどりをしたかのような、ストレートなメロディが彼らの魅力. (リリースからずいぶん年月が経ちましたが)アルバム全編を通して、未だ色褪せる事のない珠玉のポップス集.

なかでも「eggstoneの弾けっぷり」と「18 wheelerの美メロ」を掛け合わせたかのような輝きを放つt-1″wake up”の素晴らしさといったらもう…言葉では言い表せないほど. 当時、瞬く間にクラブヒットとなったのも頷ける奇跡的な名曲.
そのほか、グラスゴー直系の青春メロディが心にグッと来るt-3″get well”、哀愁漂うVo.が泣かせるt-9″still on the wrong side”、全てを包み込んでくれるかのような包容力を持った感動の大名曲t-11″i hear a sound”…etc.

とにかく凄いとしか言い様のない、ギターポップ界における歴史的名盤だと思います.
少しでも「ギターポップ」が好きな人なら、マストアイテム間違いなし.
未聴の方はどうかダマされたと思って購入してみてください. きっと後悔はしないはず!

※1. 2015年に日本のPヴァインレコードから、ボーナストラック付きで再発されました!
※2. 現在は「Arvidson & the Butterflies」名義で作品をリリースしていて、そちらも素晴らしいです!