s/t / yachines (1998) quince [CD]

s/t / yachines「夏が似合うレコード」と一口に言っても、色々とあると思います.

このフランスのバンド yachines(ex. Dorian Gray)のアルバムは例えるのなら「夏の終わり」. 楽しかった夏も終わりに近づいて、秋風を感じ始めるような寂しさや、胸を締め付けるような切なさが詰まった、素晴らしい1枚.

内容は、ネオアコにピッタリな弱めの男Vo.に美しい女コーラスが織り成す、繊細なアコースティックソング集(国内編集版・全20曲).

lunchboxにも通じる捻れた疾走ポップスt-1.”smashing days”、繊細な楽曲にストリングスアレンジで深みを持たせたt-2.”yachines town”、”i believe in love…”とひたすらに、心を掻き毟るように歌い続ける切ない疾走名曲t-3″i believe”、blueboy(sarah)ファン必聴のピュア・アコースティックポップt-5″josephine”、軽快なピアノのイントロから一転して後半で一気に疾走する激ヤバ曲t-7″superstar”、ライトソウル感漂うt-8″les promesses”、ホーン使いが最高にお洒落でステキな1曲t-13″here today”、イントロのキラメキギターで即死するロマンティック名曲t-15″my love is a star”、bluetrain好きもビックリなお洒落曲t-19″all around the world”…

え、曲紹介し過ぎ? いえ、むしろ足りないくらいです.

このCDは国内盤なので、現在でも(中古でなら)入手は難しくないはず.
ネオアコ・ギターポップ好きなら必聴だと思いますので、未聴の人はぜひ探してみてください.
(Amazonとかでも売っていますので.)

※1. 因みに荒木陽路美さんのライナーによると、バンド名はサッカー・ロシア代表の伝説のGK”黒蜘蛛”レフ・ヤシンから取ったそう.(オリビエ本人はパリっ子なので、パリ・サンジェルマンFCのファン.)
※2. Vo.のオリビエは、その後「discover」や「Olivier Brion」名義でも活動中. 相変わらずのステキさなので、そちらも要チェックですよ.

chansons francaises / NOTRE-DAME (1998) quince [CD]

chansons francaises / notre-dameフレンチポップスって、どこか「春の雰囲気」を感じさせてくれる、と思っているのは僕だけ? そんな理由からフランスのバンドNOTRE-DAMEの2ndアルバムをご紹介.
リリースはお馴染み日本の(荒木陽路美さんの)レーベルquinceから.

フランスのバンドということもあって、このアルバムは全曲フランス語で歌われています. 男Vo.の歌唱法(発音)に、フレンチポップス特有の重さが感じられるので、もしかしたら(英語詞に耳慣れた人的には)少し聴く人を選ぶバンドかも.

でも、そこは「安心のquince印」、ギターポップ好きな人には強くお勧めしたい!  特にt-2″sur ton repondeur”が最高! この曲、軽快なメロディにソフトロックっぽい女性コーラスがとてもステキなので、ぜひ一度聴いてみて欲しいです. その他にも、シリアスなメロディ展開と鍵盤使いの組み合わせが気になるt-9″mes adieux a la scene”…etc.を収録.

現在、(と言っても最後のリリースは2010年)Arnaud Fleurent-Didier名義でも作品をリリースされていて、そちらもかなりステキです. NOTRE-DAMEを気に入ったらぜひそちらも併せてチェックしてみてください.